当日のチャレンジ編・・・如何にして攻略したか。。。(大袈裟な、、、)


 予定通り奥志賀エキスパート側に到着し、着替えてAM6:35、定刻から5分遅れでスタートしました。
このチャレンジは私にとっては未知の世界、自分自身の体力との勝負と考えていましたので、
兎に角体力を温存する滑り、自然で楽なスキーを意識しました。・・・ハイブリッドじゃないですよ
ポジションは高め、ほぼ棒立ちみたいな姿勢とし、兎に角余計なターンはしない、
脚力を使わない方向で、ただただ重力に逆らわずに自然に落下していくイメージで滑ることにしました。

 早朝の奥志賀エキスパートはシマシマアイシーな高速バーンに仕上がっていましたが、
ここでキレっキレのカービングターンをしてしまうと疲れてしまうので、
エキスパートは基本落下のみ、殆どターンをせずに直滑降で滑りました。
折角のシマシマ高速バーンを前にして勿体ないですが、今日は20000mに徹すると決めたので、
ひたすら重力に逆らわずに落下していきました。

 そして予定よりやや遅れて?9本滑り下りた所で8時、10本目の乗車は通常営業開始とほぼ同時に第2高速に乗車し奥ゴンに移動しました。
AM8:05の第3高速営業開始は2番手、シマシマで誰も滑っていない第3ゲレンデを下に見つつダウンヒルに移動、ダウンヒルはちょうど1番ゴンドラに乗ってきた人が1人滑り始めただけで、2番手の滑走となりました。

朝早い時間帯に兎に角ムダなく乗車して滑ることを意識して、ダウンヒルも高いポジションをkeepしてほぼ直滑降、幸いにして10時頃までは締まったバーンを維持していたので、体力を温存しつつ標高差を稼ぐことが出来ました。

午前中で15000m超えたら午後はかなり楽になると考えて兎に角午前中にガンガンゴンドラを回しました。
4月に入りスキー客は減ると思われる中、一方で相乗りレーンの無い奥ゴンは飛び越しでの相乗り乗車が難しいゴンドラではありますが、コロナで来場者が減っていたことと、係員の相乗り案内に上手く対応して相乗りすることが出来、ゴンドラ乗車待ちはほぼ無く1時間に5本ペースで順調に稼いでいくことが出来ました。
 
 もう1点フォローの風が吹いたのは、強風でゴンドラが減速運転することが無かったことです。
残念ながら搬器は間引きされていましたが、ゴンドラ乗車待ちで大きなロスが発生しなかったことも有利に働きました。

 一方でゲレンデコンディションは予想通り10時を過ぎたら2壁以降は一気に雪が緩んでグサグサの春雪になっていき、ゲレンデも荒れてきて全面不整地となり、更に汚れも浮いて妖怪板掴みも出現する中、10時から12時までの2時間で温存していた体力を一気に消耗してしまいました。
特に板掴みは2壁から3壁に向かう緩斜面、3壁からゴンドラ乗り場までの緩斜面で頻繁に発生し、一気に体力を消耗していったのでした。。。
 
 午前中にトイレ1回、昼食は奥ゴンの中でおにぎりを食べて終了し、ゴンドラに乗るか、滑るか以外のムダな時間は極力排除して、何とか13時過ぎには15000m超えとなり、20000m達成に向けての目処が立ったことで、悪コンディションのゲレンデをムリせず滑走することが出来ました。

 そしてこれもほぼ予想通り、14時まではグサグサの春雪と板掴みで苦労したものの、
14時を過ぎたら気温が下がってきて雪質が変化、一気に走る雪へと変わっていきました。
これで体力的に楽になったと思ったら大間違い、全面不整地の状況で走りすぎる雪は非常に危険、
スピードが出すぎてしまうので抑えるのに脚力を使うことになり、体力的に楽になることはありませんでした。
かといって体力温存でスキーの行きたいように滑ってしまうと不整地で飛ばされケガをするリスクもある。
しかし、抑えてばかりだと太ももが悲鳴を上げそうな雰囲気になってきました。
そこで、滑り方を変えて太ももに負担をかけずに一定スピードで滑ることにしました。

 走る雪でスピードを一定に抑えて滑るには「横滑り」が有効です。
2壁、3壁はスキーのTOPからズラしていき、しっかり板に荷重した中でスピード一定を意識して滑りました。
2壁後半は緩斜面へのスピードを維持するため、縦長の大回りでスピードアップして緩斜面での減速を極力排除して滑りました。
この横滑りの活用により、午後から夕方の雪質変化にもしっかりと対応出来、無事15:20に20000mを達成出来たのでした。

 達成確認後、トイレ休憩に入り残った時間を確認すると1:10ほどあります。
奥ゴン6本+第3高速1本は可能な残り時間、14時過ぎからの走る雪は横滑りで体力が温存出来たこともあり、残り時間でどこまで標高差を伸ばせるか、最後に追い込んでみることにしました。

 夕方になってもダウンヒルの雪質は変わらず走る雪、横滑りでしっかりスピードコントロールして12分/本サイクルで回し、結果的には奥ゴン6本乗車、16:28に奥ゴン山頂に着いたのでダウンヒルもう1本は不可能と判断し、第3へ移動、第3高速の最終乗車者となって1本滑り、最後は全面コブ斜面になったエキスパートを下りて、16:40にチャレンジを終了しました。


<20000mチャレンジを振り返って>

私はここ数年、ほぼ毎週末志賀高原で滑っていますが、普段の滑走状況は、
滑走時間:リフト運行開始から終了まで、概ね8:30~16:30、途中休憩1回、ランチ休憩1回あり。
リフト&ゴンドラ乗車本数:30~40本
リフト&ゴンドラ乗車ポイント:200前後
滑走標高差:11000m前後

です。これでも一般人の中では「滑り倒している部類」だと思っています。
20年以上昔の話ですが、当時志賀高原の常連さんの中では滑り倒した目安はリフト乗車ポイントで判断していました。
Skilineが始まる遙か昔のことです。
リフトに乗車するとき、回数券や1回券で使用するポイント数です。
ヤケビや奥志賀のゴンドラは9ポイント、一の瀬クワッドは5ポイント、などです。
1ポイント100円換算でしたので、200ポイント=20000円分となり、
今日もリフト20000円分楽しめた、と自己満足していました。

今回の20000mチャレンジがどうであったかをデータで比較してみました。
滑走時間:6:35~16:40
リフト&ゴンドラ乗車本数:53本(奥ゴン41本、第二高速10本、第三高速2本)
リフト&ゴンドラ乗車ポイント:433
滑走標高差:23178m

私の通常滑走と比較して、何時もの2倍滑っていることが分かります。
要は、20000mチャレンジとは、それだけ異質な、異次元な、特別な、突き抜けた、
チャレンジだと言うことはお伝えしておかねばと思った次第です。

このチャレンジには本人の滑走技術もある程度は必要ですが、チャレンジする場所、時期、天気(特に視界と風)、当日の混雑度合い、など本人の意思ではコントロール出来ない要因にも大きく影響されると言えます。

従って、慎重を期すならば当日の天気(朝だけでなく終日どのような天気なのか)、ゲレンデコンディション、混雑度合い、を判断して実行されるのが確実だと思います。

一方で、大半のスキーヤーは毎日志賀高原で滑っているわけでもなく、主に週末メイン、となれば
チャレンジする日にちをまず決めて実行、になると思います。
天気予報からある程度当日のゲレンデコンディションは予想できますし、混雑度合いはシーズン中の一般スキーヤーの意識・行動を読めば、自ずと想像できると思います。
志賀高原の天気予報は、Skier_Sさんのblogで毎週水曜日夜に週末の志賀高原天気予報をアップされますので、参考にされると良いと思います。

これからチャレンジされる方の幸運を祈っています。

(場所)
同じエリアだけで実行するなら、一の瀬ファミリーのクワッド2本か、奥志賀ゴンドラ、もしくは奥ゴン&第2高速、この組合せしかないだろうと思います。
特に、早朝やナイターを考慮せず、日中営業だけで達成しようとすれば、この2エリアに限定されると思います。

参考までに、各エリアのリフト標高差を記載しておきます。(出典:2019-20志賀高原パンフレット)

【一の瀬ファミリー】
一の瀬クワッド(312m) 20000m達成に必要な本数は、65本
一の瀬第三クワッド(314m) 20000m達成に必要な本数は、64本

 このエリアはハイシーズンの週末ですと、一の瀬クワッドが8:20営業開始、第三クワッドは8:30ですので、まずは1本クワッドに乗り、2本目から16:30までは第三クワッドを回し、16:30以降ラストまでは一の瀬クワッドに乗車する、というパターンが主流のようです。
恐らく一の瀬クワッド2本、第三クワッド62本の合計64本でめでたく20000m達成となります。

【奥志賀】
奥志賀ゴンドラ(478m) 20000m達成に必要な本数は、42本
奥志賀第二高速(335m) 20000m達成に必要な本数は、60本
参考までに、
奥志賀第三高速(115m) 奥ゴンと第二高速を行き来する場合には、このリフトの標高差もカウントできます。

 このエリアは確か2月までは8:30~16:00の営業なので、日中営業だけで達成するのは、ほぼ不可能だと思います。
計算すると、7時間半で42本以上は、5.6本/時間となるからです。このサイクルで終日奥ゴンを回せる自信、私にはありません。
3月に入ると奥ゴンが8:00から営業開始となり、終了が16:15、3月後半になると16:30になった記憶があります。
日中営業だけで達成しようと考えたら、8:00~16:30営業の時期にチャレンジするのがベターです。

 奥志賀第二高速は第一ゲレンデの緩斜面が達成への最難関箇所となります。
第二高速オンリーで日中に達成しようとしたら、8:00~16:30の営業時間として7.1本/時間
となりますが、この間隔で第二高速を回すのは、私には不可能です。

第二高速メインで考えるなら、3月下旬から始まる早朝営業を組み合わせるのがベターだと思います。

【焼額山】
高速ゴンドラという点では、焼額山にも触れておかねばなりません。
焼額山第一ゴンドラ(450m) 20000m達成に必要な本数は、45本
焼額山第二ゴンドラ(419m) 20000m達成に必要な本数は、48本
焼額山第二高速(207m)
焼額山第三高速(216m)

 見てお分かりの通り、奥志賀に対して乗車本数が多くなり難易度が高くなります。
今シーズンの焼額山は早朝を除いた一番長い営業時間でも8:30~16:00でした。7時間半で達成しようとすると、1ゴンで6本/時間、2ゴンでは6.4本/時間、2ゴンはこの時点で既に現実的でない数字ですが、1ゴンもここ数年は常に減速運転しており、時間あたり4~5本が精一杯です。
となると、焼額山でチャレンジする場合は、一の瀬ダイヤモンドのナイターをセットにすることが必須になります。

参考までに、
ダイヤモンドクワッド(105m)
Skier_Sさんによると、ダイヤナイターで最大34本乗車することが可能とのこと。
105m×34本=3570mをダイヤナイターで稼ぐことが可能です。
それを考慮してヤケビでの標高差を算出しますと、
第三高速の営業終了が16:15なので、ゴンドラ営業終了後も最低1本は第三高速に乗車できたと仮定します。
20000m-3570m-216m=16214mとなります。
これを1ゴンだけで達成しようとすると37本の乗車が必要となり、37本を営業時間7時間半で割ると、
4.9本/時間となります。これは正直非常に難しいサイクルだと思います。

ここで更に、16:15の第三高速営業終了後、「瞬間移動」で一の瀬ファミリーに移動できたと仮定します。
ここでファミリークワッドに2本乗車出来たとします。
16214m-312m-312m=15590mとなります。
15590mを1ゴンオンリーで達成しようとすると、35本の乗車が必要です。
35本を7時間半で達成するには、4.7本/時間となり、やはりかなり厳しいサイクルだと思います。

長々書いての結論ですが、焼額山でチャレンジする場合は、焼額山単独で日中営業だけでの達成は不可能。
ナイターもしくは他場所へ移動しての滑走と組み合わせる必要がある。
それでも、達成はかなりきわどい、と言うことになりました。
1ゴンが本来のトップスピードで運転している日が戻ってくれば、可能性はあると思います。

(時期)
12月、1月は日の出、日の入りが早く、リフト営業時間が短いため、達成のハードルは必然的に上がります。
勿論ナイターまで考慮するなら大丈夫だと思いますが、一方で寒いと特に一の瀬のクワッドは吹きっさらしなので乗車環境的に厳しいかもしれません。
寒いと冷えて体が異変を訴える可能性もあります。

2月になればリフト営業時間が長くなること、雪質はハイシーズンで基本締まった感じで安定していることから、おススメできる時期だと思います。

3月も2月同様ですが、下旬の気温が高い日でなければ大丈夫だと思います。

4月は第2週までなら当日の気温次第では適していると思います。
それ以降は来客者が極度に減るのでリフトやゴンドラが減速運転になる可能性があり、GWに入るまでは厳しいかもしれません。
一方でGWに入ると混雑するので難しい、、、4月後半で唯一狙えるとすれば、4/29から5/2までのGW前半だと思います。
但し、この時期は過去の例からいけばダウンヒルの雪が無くなって滑走不可、もしくは緩斜面が紐ゲレンデになっている可能性もあり、ゲレンデコンディションを見極めることが重要でしょう。

(天気)
晴れ、曇り、風の無い雪、なら大丈夫でしょう。但し雪が降って視界が悪くなると厳しいと思います。
雨の日は止めた方が賢明です。・・・雨でゲレンデ、リフト&ゴンドラ共に空いているメリットはありますが。
また強風の日はゴンドラは運休の可能性がありますし、
営業していても減速運転や乗車人数を制限するため混雑する可能性が高くなります。
リフトも同様に減速運転となりますので止めるべきです。

(混雑度合い)
当然ながら空いている日を選ぶべきです。可能なら平日、週末の場合も混雑しない特異日の週末を選ぶべきです。
年末年始、3連休など明らかに混雑する日を避けるのは当然ですが、
土日の来場でチャレンジする前提で考えると、3連休の前の週末、3連休の翌週末、4月など、混雑しない特異日の週末を選ぶのが良いと思います。
一の瀬ファミリー、特に第3クワッドは年末年始や3連休でも滅多に混雑しませんが、
正面バーンが混雑し、他人と接触してケガをする/させるリスクが高くなります。
また第3クワッドは3/21頃で営業終了しますので、一の瀬でチャレンジするなら第3クワッドの営業期間を考慮して選定した方が良いでしょう。
奥志賀ゴンドラの場合、混雑すると相乗りレーン自体が無いので逃げることも出来ず、混雑日はチャレンジ自体が不向きです。
私の場合は4月であったことと、新型コロナで自粛の雰囲気があり来場者が少なかったこと、
この2点がフォローの風となりました。

また、4/4(土)の滑走日記はこちらからご覧になれます。

以下、あらためて達成当日にリアルタイムで発信したblog記事から引用しました。


今日は奥志賀早朝からスタートして20000mチャレンジしています。
丁度12時現在で、
奥志賀第2高速(標高差335m):10本
奥志賀第三高速(標高差115m):1本
奥志賀ゴンドラ(標高差478m):20本
となりました。

志賀高原パンフレットの標高差情報によれば、現在13025mです。
リフト終了まであと4時間半、何とか達成出来そうです❗😊


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ゴンドラ20本目のスキートラックです。丁度12時前後だったと思います。


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ゴンドラ26本目のスキートラックです。
13:15現在で奥ゴン25本滑走しました。
志賀高原パンフレットから計算したトータル標高差は15893mです。


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ゴンドラ31本目のスキートラックです。
14:15現在で奥ゴン30本滑走しました。
現在31本目に突入❗👍
標高差は18283mです。


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ゴンドラ36本目のスキートラックです。
15:20現在で奥ゴン35本滑走しました。20000mクリアーまで8時間40分掛かりました😅
そして、標高差は20195mと20000mクリアーしました。
駄菓子菓子、あと1時間10分あるから、まだまだダウンヒルワンメイク続きますよ❗👍

6:35スタートで15:15に20000m滑走終了です。

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最終結果です。
奥ゴン41本
第三高速2本
第二高速10本
で、標高差23178mでした。

ちなみに通常営業だと
奥ゴン41本
第三高速2本
第二高速1本
になるので、標高差20163mと日中営業でもギリギリ達成出来ました😅


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翌日、4/5朝にヤケビ1ゴンに並んだら、kon_suke親分さんから
直々にステッカーを授与して頂きました。ありがとうございました。


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当初は黒下地にゴールド文字バージョンのみでしたが、赤下地バージョンも追加され、
2種類のゴールドステッカーとなりました。


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